著者:ゲンバ侍|建設業界人事歴12年・累計採用500名以上
「足場屋って実際いくら稼げるの?」
これ、業界の外からはなかなか分からないですよね。求人票には「月給25万〜」とか書いてあるけど、実態はどうなのか。残業代は出るのか、雨の日はどうなるのか。
12年間、建設業界で人事をやってきた私が、正直に全部話します。
足場屋の平均年収【結論:350〜500万円が現実ライン】
厚生労働省の賃金構造基本統計調査をベースに、私が現場で見てきた実感を合わせると、足場工事業の年収はざっくりこんな感じです。
| キャリア | 月収目安 | 年収目安 |
|---|---|---|
| 見習い(0〜1年) | 18〜22万円 | 220〜280万円 |
| 一人前(2〜4年) | 25〜32万円 | 300〜400万円 |
| 中堅(5〜8年) | 30〜40万円 | 380〜480万円 |
| 職長・班長(8年〜) | 38〜55万円 | 460〜650万円 |
| 独立・一人親方 | 50〜100万円 | 600〜1200万円 |
「意外と稼げる」と感じた方、正解です。体を使う仕事の中でも、足場は単価が高い。理由は単純で、危険度が高く、技術が必要で、人手が足りていないから。
足場屋の給与形態【日給月給制の仕組み】
ここが一番大事なポイントなので、しっかり説明します。
足場屋の多くは日給月給制です。働いた日数×日給が月収になります。
例えば日給1万5千円で月22日稼働した場合、月収は33万円。ここに現場手当・資格手当が加算される会社もあります。
日給の目安
| キャリア | 日給目安 |
|---|---|
| 見習い(入社直後) | 8,000〜12,000円 |
| 一人前 | 13,000〜18,000円 |
| 職長クラス | 20,000〜28,000円 |
見習いの日給が低く見えますが、これは最初だけです。技術が上がるにつれて日給は上がっていく。早い人は2年で一人前の日給に達します。
雨天・天候不良の日はどうなる?
ここが日給月給制の最大のデメリットです。雨で現場が中止になると、その日の収入はゼロ。
月に3〜4日雨天中止になると、月収が5〜6万円落ちることもあります。
ただし会社によって対応が全然違います。
良い会社のパターン:
- 雨天時でも内業(資材整理・車両点検など)を割り当てて日給保証
- 月の最低稼働日数を保証する固定給制度あり
- 雨天手当を支給
注意が必要な会社:
- 雨の日は問答無用で「待機」扱いで無給
- 月の稼働日数が少ない月は一方的に給与カット
求人を見る時に必ず確認すること:「雨天時の対応はどうなっていますか?」
これを聞いて、しっかり答えてくれる会社を選んでください。
残業代・各種手当はある?
正直に言います。残業代がきちんと出る会社と出ない会社で、年収が100万円以上変わります。
建設業は2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されました。これにより、まともな会社は残業代をきちんと払わないといけなくなっています。ただし、まだ対応できていない会社も正直存在します。
確認すべき手当の項目:
- 残業代:月何時間まで、単価はいくらか
- 資格手当:玉掛け・足場作業主任者などで加算があるか
- 現場手当:遠方現場への交通費・宿泊費の扱い
- 皆勤手当:月に一度も休まなければプラスαがあるか
- 家族手当:扶養者がいる場合の加算
社会保険・福利厚生【これが地味に重要】
年収の話をする時に見落とされがちですが、社会保険の有無で手取りが大きく変わります。
社会保険に加入している会社では、健康保険・厚生年金・雇用保険が給与から引かれる代わりに、会社が半額負担してくれます。将来の年金にも影響します。
社会保険に未加入の会社(一人親方扱いが多い)は、国民健康保険・国民年金を全額自己負担。月2〜4万円の差が出ることも。
採用面接で必ず確認:「社会保険は完備ですか?」
独立・一人親方になると稼げる?
足場業界で本当に稼いでいる人の多くは、独立した一人親方か小規模事業者です。
実力がある職長が独立した場合、年収600〜1000万円は珍しくありません。ただし:
- 仕事を自分で取ってこなければならない
- 社会保険・経費・税金は全部自分持ち
- 怪我・病気のリスクを自分で管理する必要がある
未経験から足場を始めて独立を目指すなら、最低5〜7年は会社員として技術と人脈を積んでからが現実的です。
年収を上げるために必要なこと【3つ】
①資格を取る
足場の仕事で年収アップに直結する資格:
- 足場の組立て等作業主任者:取得で日給1,000〜2,000円UP
- 玉掛け技能講習:クレーンを使う現場で必須
- 高所作業車運転技能講習:現場の幅が広がる
これらは入社後に会社費用負担で取れることがほとんどです。
②早めに職長を目指す
日給20,000円超えは職長クラスから。会社の中で「職長候補」として認識されるには、仕事の正確さと後輩指導の姿勢が重要です。
③良い会社を選ぶ
同じ経験年数でも、会社によって日給が3,000〜5,000円違うことがあります。経験を積んだら転職で年収を上げるという選択肢も有効です。
まとめ:足場屋の年収は「会社選び」で決まる
改めて整理します。
- 見習いは月20万前後からスタート
- 2〜3年でコツコツ続ければ月30〜35万は普通
- 職長になれば月40〜50万も現実的
- 日給制なので雨天・会社の方針で変動する
- 社会保険・残業代の有無で手取りが大きく変わる
未経験から足場屋を目指している方には、まず建設業界専門の求人サイトで複数社を比較することをおすすめします。日給・研修制度・社会保険の有無をきちんと比較してから判断してください。
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よくある質問
Q. 足場屋は未経験でも日給はもらえますか? A. もらえます。入社直後から日給が発生します。ただし研修期間中は一般より低い日給設定の会社が多いため、入社前に確認してください。
Q. 女性でも足場屋として働けますか? A. 働けます。近年は女性職人も増えており、体力面は慣れでカバーできる部分も多いです。ただし現場環境(トイレ・更衣室など)は会社によって差があるため、確認が必要です。
Q. 足場屋の仕事はいつまでできますか? A. 体力を使う仕事なので、現場作業は50代が一つの区切りになる方が多いです。その後は現場監督・施工管理・営業へのキャリアチェンジが一般的です。
Q. 資格がないと就職できませんか? A. 就職できます。前述の通り、必要な資格は入社後に会社費用で取得できるケースがほとんどです。
著者プロフィール
ゲンバ侍
建設業界の人事担当として12年。足場・鳶・塗装・土木など複数職種で累計500名以上の採用に関わる。「採用する側が正直に書けば、ミスマッチは減る」という信念でこのブログを運営。現在も現役で建設会社に勤務。



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